月刊誌『致知』は日本で唯一、人間学が学べる雑誌として、「いつの時代でも仕事にも人生にも真剣に取り組んでいる人はいる。そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」という理念のもとに歩み続け、創刊四十年という
節目を迎えることができました。
 これを記念して、去る九月二十二日(土)、ホテルニューオータニ東京にて、『致知』創刊四十周年記念講演会&パーティーを開催。今大会は開催告知から一か月足らずで定員の一千六百名に達するなど事前から大きな盛り上がりを見せ、『致知』の愛読者一人ひとりから発せられた熱気と感動に彩られた大会当日は、『致知』の歴史に新たな一頁として刻まれることとなりました。

『致知』創刊40周年記念式典 第1部 記念講演会

  受付開始時刻は十一時半だったにも拘らず、第一部講演会会場「鶴の間」の前にはその四時間以上も前か
ら来場された方々を先頭に長蛇の列となったため、予定時刻を繰り上げての会場となりました。

 冒頭のオープニング映像では、創刊時からの歩みを約十分間に凝縮した内容を上映。会場の皆さんととも
に、『致知』創刊から四十年の歩みを辿りました。

 記念講演会の講師は、ともに『致知』を愛読してくださっている京都大学iPS 細胞研究所所長を務め
る山中伸弥氏と、トヨタ自動車相談役の張富士夫氏、そして弊社社長藤尾秀昭の三人が務めました。

 最初にご登壇いただいた山中氏の演題は「iPS 細胞がひらく新しい医療」。

ご自身の研究者としての歩みとともに、いまも精力的に行っている研究活動に懸ける思いを時にユーモアを交えて語っていただきました。また、張氏には「トヨタのものづくりと人づくり」をテーマに、日本が世界に誇るものづくりの神髄について大野耐一氏をはじめとした先輩たちの教えを交えつつ丁寧にお話しいただきました。体験に基づかれた珠玉の講演に聴き入った千六百名の参加者から発せられる熱気は、会場全体を覆い尽くしていきました。




 続いて弊社社長の藤尾は、「致知の一道―――四十年を歩みきて」と題して話しました。昭和五十三年に『致知』を創刊して今年で四十年。その折節で得た言葉や学びの数々を、創刊時の二つの原点、そして『致知』が今日に至る上で転機となった三つの出来事に沿って話を進めました。  また、講演の途中には四名の『致知』愛読者が登壇し、「致知と私」と題して「愛読者スピーチ」が行われました。中学一年生の鈴木耀水さんを筆頭に、高校三年生の大森美鈴さん、小学校教諭の山﨑敏哉さん、そして会社役員の梅守志歩さんには、『致知』との出逢いを通じて、いかにして人生をひらいてこられたのかを語っていただきました。会場からは若い愛読者に向けて、惜しみない拍手が送られました。 『致知』を代表的国民雑誌にという故渡部昇一先生の言葉を胸にさらなる前進を誓うとともに、講演の締括りには弊社の若手社員七名が安岡正篤先生の「萬燈行」を壇上で披露う。その渾身の唱和は会場全体にこだまし、参加者一人ひとりの心にまで響き渡りました。


「愛読者スピーチ」で発表された四名の方々

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