リーダーのための古典活学講座
今野華都子先生と紐解く、日本最古の歴史書『古事記』

日本人のこころに深く根ざしてきた、日本最古の歴史書『古事記』。そこには神話の世界を通じて、日本人のルーツが深く刻み込まれています。

『古事記』の世界に魅せられ、10年以上にわたって全国で読書会を展開されているのが、今年の11月から始まる連続セミナー「『古事記に学ぶ日本のこころ」で講師を務めていただく今野華都子先生です。本講座では今野先生が愛読する『新釈古事記伝』をベースに、人生や経営に資する『古事記』の読み方を伝えていただきます。

致知出版社では初の連続セミナー開催となる今野先生に、本講座の開講に向けての思いを伺ってきましたので、ここにご紹介します。



戦後、多くの日本人が失ったもの

『古事記』の読書会を始めて既に10年以上が経ちますが、「『古事記』に日本人の心を学ぶ華都子塾」と銘打って本格的な活動を始めたのは、2011年の東日本大震災以降のことでした。当時は福島原発事故をはじめ、電力の問題や経済の先行きなど様々な問題が起こったことから、日本は今後どうなってしまうのだろうかと、多くの方々が不安に駆られていた時期だったと思います。

翻って戦後の日本では、多くの日本人が何を判断基準にして生きていけばよいのかということを忘れてしまっていたように思われます。高度経済成長を背景に、経済的な豊かさの追求にのみ心を奪われ、人としてどう生きればよいのかという、古来日本人が大切にしてきた判断基準を見失ってしまっていたのです。

世界から賞賛された「日本人のこころ」

そもそも日本では長い間、『古事記』を通じて日本人として大切なことが次の世代へと受け継がれてきました。例えば、戦前の学校教育では『古事記』が教材として扱われており、多くの子供たちが暗唱できるほど『古事記』に慣れ親しんでいたのです。しかし、それもいまは昔のこと。今日においては、『古事記』がどういうものかを知らない日本人が多数を占めるまでになってしまったのです。

ところが、どうでしょう。東日本大震災後における被災者の方々のとった行動は、そのどれもが日本人が長いこと大切にしてきた判断基準に基づくものでした。しかも、そういった行動に対して、世界中の人たちからたくさんの賞賛の声が寄せられたのです。これは何を意味するのかと言えば、私たちの中には、我われの知らぬ間に、日本人として大切なものがしっかりと受け継がれていたのです。

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『古事記』に秘められた大いなるメッセージ

もっとも、こうした日本人としての大事な根幹部分を曖昧なままにしておいてよいはずがありません。西洋に『聖書』があるように、私たちには『古事記』という、寄るべきものが存在するのです。日本人としての精神性を長いこと養うとともに、日本人の生き方とはどういうものかを明確にする『古事記』こそ、新しい時代を生きる上でも欠かせない学びの種となるというのが私の考えなのです。

『古事記』を実際に紐解くと、そこには主に神話の世界が描かれていますが、だからと言って単なる読み物だというわけではありません。そこに記された言葉の奥に秘められた意味を丁寧に読み解いていけば、『古事記』に出てくる言葉の一つひとつに、大いなるメッセージが秘められていることに気づくことができるでしょう。『古事記』を読み進めていくうちに、神話の世界から忽然と立ち上ってくるものを感じとっていただくことができれば、こんな嬉しいことはありません。

『古事記』を学ぶと「生き方が楽になる」

これまで多くの方々に読書会にご参加いただきましたが、皆さんからは『古事記』を学んだことで「生き方が楽になった」という言葉をよくお聴きします。『古事記』を通じて日本人が大切にしてきたものを主体的に学び取ることで、人生で迷った時に、何を基準に判断すればよいのかが自ずと分かってきたというのです。

これは何も個人だけの話だけではなく、企業においても同じことが言えます。経営判断を下すにあたって、寄るべき基準が明確になることで、会社の目指すべき方向性も明確になり、自ずと仕事が楽しくなるのです。

『古事記』にはすごい力があります。そのことを私は日々実感しています。ぜひ皆さんにも、本講座を通じて『古事記』に秘められた力を味わっていただければと願っております。

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  • 講師:今野華都子先生(こんの・かつこ)

    昭和28年宮城県生まれ。平成10年エステティックサロンを開業。16年第1回LPGインターナショナルコンテストフェイシャル部門にて日本最優秀グランプリ、また、世界百十か国の中で最優秀グランプリを受賞。タラサ志摩ホテル&リゾート、カルナ フィットネス&スパの社長を歴任。「古事記」に日本の心を学ぶ華都子塾主宰。CDに『耳で聴く「古事記」』『やさしく生きる』(ともに致知出版社)。

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