本書の刊行にあたって
森信三先生の没後ほどなく、一つのメモ書きが見つかったといいます。
ある本の中に、森先生の筆蹟で、題名はもとより、その構成、判型、ページ数の割付に至るまでを明示した書籍構想のメモが挟まれてあったのです。
『不尽精典(ふじんせいてん)』――おそらく80代後半に記されたと思われるそのメモ書きを「天の啓示」と感得・準拠して編集を進め、1996(平成8)年、森先生の生誕100周年を記念して「実践人の家」から同書は刊行されました。
しかしそれから30年が経ち、現在では入手困難となっていたこの書を、生誕130周年の今年、弊社より復刊する運びとなりました。
収録されるのは、語録集『下学雑話』『不尽片言』『一日一語』の他、『修身教授録』『幻の講話』の抄録、さらには『坐談抄』『全一学精要』『森信三先生小伝』に至るまで全八編。その膨大な著作から、森先生一代にわたる学問・思想と実践・行蹟の精髄を凝結した「人間学の宝典」とも呼べる一書です。
648ページ上製のずしりとした重み。どのページも深い思索と実体験から迸り出た珠玉の言葉に溢れ、日常の在り方を変え、人生を導いていく力を宿しています。「国民教育の師父」と謳われた大教育者にして大哲学者の金言が、いまここに甦ります。
◆「精典」「宝典」「聖典」と呼べる一書
本書は、森信三先生が生涯をかけて探究された学問、思想と実践・行跡のエキスを結集したもので、それ故「精典」であります。「人生いかに生きるべきか」は、森教学の中心理念です。今後、人間の生き方を真摯に求める人にとっては、本書はまさにこの上ない「宝典」であります。また、実践人の家に道縁のある人々にとりましても、いつでも森先生の教えの原点に戻れる「聖典」でもあります。
一般社団法人 実践人の家参与 浅井 周英(「まえがき」より)
『不尽精典』のここがすごい!
【1】森信三先生一代にわたる学問・思想や実践の精髄をこの一冊に凝結
代表的語録集『下学雑話』『不尽片言』『一日一語』の他、『修身教授録』『幻の講話』の抄録、さらには『坐談抄』『全一学精要』『森信三先生小伝』に至るまで全8編を収録。その膨大な著作から、森先生一代にわたる学問・思想と実践・行蹟の精髄を凝結した「人間学の宝典」とも呼べる一書。
【2】ご本人が生前、書き遺しておかれたメモ書きに準拠して編集
森信三先生の没後、二宮尊徳の語録などをまとめた『報徳叢書』という書籍の表紙を開くと、森信三先生の80代後半のものと推定される筆蹟で、メモが貼りつけられてあったといいます。そこには『不尽精典』というタイトルの下に、第1章から第3章に至るまでの内容、目次から、確かなページ数の割付け、そしてA5判という所定の大きさまでが明示されてあったといいます。折しも森信三先生の生誕100年記念出版として、『不尽語録』の復刊を予定していたところ、門弟たちはこのメモ書きの内示に従い、編集を進め、本書を刊行する運びとなったといいます。
【3】A5判上製・648頁の永久保存版
繰り返し読み返すことのできる、A5判で重厚なハードカバー。「聖典」とも呼べるような佇まいの豪華装幀として現代に甦りました。「年輪経営」で知られた名経営者・伊那食品工業の塚越寛氏は、本書を「懐中の一冊」として愛読し、「時代に流されず、揺るぎない自分かどうか、確認しているんです」としばしば読み返しておられたといいます。
『不尽精典』の読みどころを、担当編集者が解説!
<収録内容>
第1章
1「下学雑話」
2「不尽片言」
3「一日一語」
第2章
4「修身教授録」(抄録)
5「幻の講話」(抄録)
6「坐談抄」
第3章
7「全一学精要」
8「森信三先生小伝」
9「年譜」
「不尽精典」誕生秘話を「note」にて公開中!
『不尽精典』という書物が弊社から復刊されることになったのは、まったくの偶然という他ない。
今年(2026年)6月29日に伊那食品工業最高顧問の塚越寛氏が逝去されたが、その数日後、信濃毎日新聞のデジタル版に、
【「かんてんぱぱ」の塚越寛さんが手元に置いた一冊 大切にした自らを省みる時間】
という見出しのアーカイブ記事が配信され、それをたまたま私が目にしたのだった。
記事によると、塚越氏はこの書物を本社の自室に置いて生涯愛読し、「時代に流されず、揺るぎない自分かどうか、確認」していたのだという。
ネットで書影を確認すると、重厚感のある佇まいと共に、オビにこんな言葉が記されていた。…








