「いのちの意味」と「人間の使命」——数え100歳、茶道裏千家・千玄室氏が語る

2022年、数えで100歳を迎えられた茶道裏千家前家元の千 玄室先生。70年以上、国内外で茶道の普及を続けるその精進努力には、いささかの衰えも感じられません。数多くの人生の山坂を乗り越えてこられた先生に、命の意味について語っていただきました。

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命を生かして使うことが人間の役割

——先生は命の尊さについて、どのようにお感じになっていますか。

<千> 
私はよく言うのです。「いのち」の「い」は「生きる」こと、「の」は「望み」であると。人間は、生まれて育っていく過程の中で「自分は何になりたいか」と、進むべき方向を自分で決めるわけでしょう? 

命を与えられた以上は生きるための望み、目的を持たなくてはいけません。

いまは自分の望み、願望を語れない人が増えています。そうかと思うと、望みが叶わないからといって簡単に他人を傷つけたり、他人に責任を転嫁したりする。

こういう卑怯者のようなことをやってはいけませんね。

自分の人生は最後まで自分で責任を取らなくてはいけませんし、望みというものは、どういう状況に置かれたとしても決して失ってはいけないのです。

最後の「ち」は「血」です。

人間は皆、親から血を受け継いでいまを生きています。血は先祖から連綿と繋がっている。

だけど、そのありがたさを忘れてしまっているのです。

親に対してどうのこうのと言うのだけれども、両親からいただいた血を大切に生かすことは人間の役目です。そこに初めて「命の尊さ」があるわけです。

——噛み締めないといけない言葉ですね。

人生哲学の中で最も大切なこと

<千>
これは日本人だけでなく世界中の人々も皆一緒ですよ。

皮膚の色が違っても、言葉が違っても、国が違っても人間は同じである。

その人間は誰もが大きな使命を担っている。

使命と言いましても、最初から答えが与えられているものではありません。

いろいろなことを学びながら、経験を重ねながら自分の役割は何か、答えを出していく以外にないのです。

人生は未知数です。

掛け算や足し算では到底計り知れない世界がそこにはある。

そこに必要なのが人生哲学であり人間学なのではないでしょうか。

人生哲学の中で最も大切なのが人と人との繋がり、絆だと私は思います。

自分の価値観、考えを追究しながらも、同時に社会や家族における自分の存在を自覚して生きることです。


◇千 玄室(せん・げんしつ)
大正12年京都府生まれ。昭和21年同志社大学法学部卒業後、米・ハワイ大学で修学。39年千利休居士15代家元を継承。平成14年長男に家元を譲座し、千玄室大宗匠を名乗る。文学博士、哲学博士。主な役職に外務省参与、ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使、公益財団法人日本国際連合協会会長。文化勲章、レジオン・ドヌール・勲章オフィシエ、レジオン・ドヌール勲章コマンドール(フランス)、大功労十字章(ドイツ)、独立勲章第一級(UAE)等を受章。

(本記事は月刊『致知』2022年4月号 特集「山上山また山」より一部を抜粋・編集したものです。

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