ライフエネルギーコーチングで不可能を可能にする——ライフインスピレーション代表・三上隆之

 

幼い頃から悩まされていた重度のアトピーを自らの心のあり方を変革することで克服したライフインスピレーション代表・三上隆之さんは、その経験を活かし、自然治癒力などの潜在能力を引き出し、人々の心身の不調を改善するライフエネルギーコーチングを生み出しました。いま、多くの人々の幸せの実現のために力を尽くす、三上さんに人生の歩みを語っていただきました。

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心の持ち方でアトピーを克服

(三上)

高校時代、私は持病のアトピー性皮膚炎が重症化したことで、熱中していた野球はおろか、学校にもまともに登校できないどん底の中にいました。さらに医者からは、「完治は不可能です。親の遺伝的要素が強く、あなたの子供もアトピー体質は避けられません」と宣告されたのです。

それでも母は、様々な治療法の情報を集め、日本中の治療院に連れて行ってくれました。しかしなかなかよくならず、精根尽き果てた私の心は、次第に腐り荒んでいきました。ある時、母に向かい「こんな体で産みやがって!」と暴言を吐いたこともありました。

もう完全に心が折れてしまう寸前だったと思います。母が今度はある心理学セミナーの話を持ってきました。「いよいよ宗教に手を出したか」と父は反対しましたが、母はまるで何かに突き動かされるように私を迎えのワゴン車に乗せ、自宅のある京都から福井県・越前岬のセミナー会場へと向かいました。1988年、私が17歳の時です。

セミナー初日は「想いは現実化する」などをテーマにしたレクチャーを受講。例えば、割れるイメージを鮮明に頭の中に描きながら、紙の名刺で割箸を割るといったワークに取り組み、いかに人間は思い込み、固定観念に囚われているかを体験していきました。

そして、2日目は個人セッションでした。ところがセッションに入った瞬間、講師の方から「いつまで甘えてんのじゃ!」と叱咤されたのです。

さらに「このまま母親を責め、自分が被害者になり、自分の子供も皮膚炎になって、今度は自分の子供に、いま親に言っていることと同じことを言われたらどう思うか?」「嫌なら、たとえ遺伝だとしても、自分の代で流れを変える役割を持って生まれてきたくらいの使命感を持ち、本気で治してみろ」と諭されました。

講師の方の叱咤で、自分の中の何かが壊れたかのような衝撃を受けた私は、30秒くらい間を置き、「治りたいです!」と魂の叫びのような大声で答えていました。まさに「新生 三上隆之」が誕生した瞬間でした。不思議なことに、心のスイッチが変わったその日を境に、約半年で一気に皮膚炎が治ったのです。

その後、大学に進学した私は、今度は椎間板ヘルニアを発症したのですが、母の縁でカイロプラクティック療法と出逢い、数か月でみるみる症状が改善。この体験がカイロプラクティックの世界に入っていく契機となりました。

大学を卒業すると、カイロプラクティックの学校に入学して勉強を重ねると共に、メンターとなる先生と出逢いました。その先生の京都のクリニック内に専用ルームを設けていただき、学びを実践できる機会に恵まれたのは大変幸運でした。以後、自分の技術で多くの方の様々な不調を改善に導く仕事に心からやりがいを実感していきました。

ライフエネルギーコーチングの誕生

(三上)

しかし、10年目頃に転機が訪れます。腰痛を施術して喜んでいただいた方が、私が研修のため10日間ほどお休みをして戻ってくると、「先生がいなかったせいで元に戻ってしまった」と血相を変えて訴えてこられたのです。その時に、「私の施術も、結局は西洋医学と同じ対処療法をしているだけだ」と、これまで積み上げてきたものが音を立てて崩れていったのでした。 

それから数か月は、仕事へのやりがいを喪失し、自問自答する日々が続きました。 

その中で「自分の皮膚炎の克服体験を施術に生かせないか」「互いにウィン・ウィンの関係になれる施術法はないか」と、心理学や筋反射学など様々な施術法の研究を重ねる中で、ある日、ルービックキューブの六面がぴたっと揃う感覚を得た瞬間が訪れたのです。まるで神様にギフトをいただいたかのような感覚でした。そうして約2日間で一気に体系化したのが、「ライフエネルギーコーチング」という独自の施術法でした。 

この施術法では、クライアントと対話をしながら、筋反射テストなどを行い、様々な症状や心理状態が記されたチャートを基に、不調の真の原因を探り当てていきます。そのように、ライフエネルギーコーチングでは、治癒の答えと力はクライアント自身の中にあり、クライアント自身が気づいていくものであり、私はあくまでその方の潜在能力、自己治癒力を最大限に引き出すコーチの立場なのです。 

施術の中で、1番嬉しかったのは、「先生と出逢うまでは病気になった時、どの病院の何科に行けばいいのかしか考えていなかったけど、いまは体は何に気づいてほしいって言っているのだろう? と振り返る自分になれました」というクライアントの言葉です。 

そうした方の口コミで来院者も増え、2011年に独立。ベストセラー作家・本田健さんやジャネット・アットウッドさん等の著名人やアスリート、医療従事者や経営者に定期的に受けていただいていて、28年間で延べ約10万人例の施術に携わってきました。また、ここ数年は後進の育成にも力を入れています。 

私の経験からお伝えしたいことは、「不可能は可能にできる」ということです。私自身、完治は不可能だと言われた皮膚炎を、自分の中の固定観念を取り去ることで克服することができました。自分の潜在能力を信じ諦めずに歩み続けていれば、絶望は必ず希望へ変わっていくのです。

 これからもライフエネルギーコーチングを日本、世界に広め、一人でも多くの方の自己治癒力・生命力・元気力を引き出し、幸せな人生の創造に貢献していけたなら、それ以上の喜びはありません。

 (本記事は『致知』2020年3月号「意志あるところ道はひらく」から一部抜粋・編集したものです。あなたの人生や経営、仕事の糧になる教え、ヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

 ◇三上隆之(みかみ・たかゆき)――ライフインスピレーション代表

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