分身ロボット「オリヒメ」誕生!青年開発者の挑戦

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┃致知出版社の「人間力メルマガ」 2015.10.6 (Tue)┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


例えば、病院に居ながらにして、
家族団らんや旅行を楽しむことができたら……

そんな願いを叶えてくれるロボットをご存じでしょうか??
その名は「オリヒメ」


若き開発者の手で世に送り出された「オリヒメ」は、
使いやすさと親しみやすさを兼ね備えた
分身ロボットとして注目を集めています!!

そこで本日は、若き開発者が造り上げた
分身ロボット「オリヒメ」に迫ります

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「分身ロボット
   『オリヒメ』の驚異」
                  
        吉藤健太朗(オリィ研究所代表)
         

 

        
『致知』2015年11月号
          特集「遠慮」より
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一般的なケースですが、
故郷にいる高齢のご両親が心配な方の場合ですと、
ご両親の傍にいつもオリヒメを置いておかれるんです。
東京にいる息子さん、
娘さんが手元のiPadを立ち上げると、
画面には実家に置かれたオリヒメの額部分にある
内蔵カメラが捉えた部屋の様子が映し出されます。
iPadの画面を指で動かすことでオリヒメの首が動き、
それと連動してカメラが捉える光景が変わります。
そして、カメラがご両親の顔に向いたところで、
画面の向こうにいるご両親に話し掛ける。
――オリヒメがクルッとご両親のほうを
  向いて話し始めるイメージですね。
オリヒメとiPadには
それぞれマイク機能がついていますから、
「お母さん、元気?」「あなたは元気なの?」と
言葉でコミュニケーションができますし、
オリヒメの首を動かすことで
実家の部屋の中を自由に見渡したり、
頷く、手を挙げるなどのジェスチャーも可能です。
ご両親がオリヒメを持ち歩けば、
持ち歩いた場所の景色をiPadで眺めながら、
会話を楽しむことができるんです。
(略)
――オリヒメをとおして心に残る
  利用者との出会いもあったと思うのですが。
一番思い出に残っているのは、
オリヒメを最初に使ってくださった方ですね。
学生ですからコネがあるわけではないし、
使ってくださる方が誰もいず、
とても悩んでいたのですが、
そういう時に僕はたまたまビジネスコンテストで優勝し、
「面白い学生がいる」というので
ある教育関係の会社の社長さんから
「会いたい」と連絡をいただきました。
ちょうど社長さんとお会いする約束をしていた前日、
その方がアキレス腱を切って
「社員旅行に行きたかったのに。残念」
ととても悔やんでいらっしゃることが分かったんです。
僕は
「社長、いいものがありますよ。
 僕がつくったオリヒメはまさにそれなんです」
と言って社員さんたちにオリヒメを
旅行に持参していだたくようお願いしました。

 

社長さんは病室からパソコンを
使って社員さんと喋ったり、
車窓の景色を眺めたりしながら大変喜ばれましてね。
夜の宴会ではオリヒメで乾杯の発声までされました(笑)。
――楽しげな情景が目に映るようですね。
それから、二つ目の例は遠方の両親が
交代で見舞いに来る重病のお子さんのケースです。
彼は感染予防のための個室病棟にいました。
きょうだいや友達とも会えませんから、
二か月、三か月と入院するうちにテンションが落ちていって、
「家族と一緒にテレビを見たい」というのが切なる願いでした。
テレビは病室にもあるんです。
でも彼は一人では決して見ようとしませんでしたね。
父親から相談を受けた僕は、
彼の実家にオリヒメを置き、
病室のパソコン画面をとおして居間のテレビを
家族と一緒に見られるようにしました。
それから彼は毎日、家族との団欒の時間を
楽しめるようになったんです。
嬉しいことに、しばらくして無事退院できましたけど、
オリヒメがその子の回復に一役買っていたとしたら、
こんなに嬉しいことはありません。


※パーティーにも代理で出席するオリヒメ

 



「人々の孤独を癒やしたい」という思いを胸に、
   自らの不登校体験をバネにして
   分身ロボット「オリヒメ」を開発した
   若き開発者吉藤健太郎さんの歩みは、
   最新号P28~をご覧ください




  最新号のテーマは
   「遠慮ー―遠きを慮る」
   

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