花にも心はあるのか? ダライ・ラマ法王の答えとは

画家として40年以上にわたって
日本の美術界をリードして
こられた絹谷幸二さん。

村上和雄さんとの対談で、
色について興味深い
お話を展開されています。

───────「今日の注目の人」───

絹谷 幸二(画家)
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村上 和雄(筑波大学名誉教授)

※『致知』2017年7月号
※連載「生命のメッセージ」P114

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【村上】
花にも心があるかという問題があって、
ダライ・ラマ法王はないと言うんですよ。

ところが日本の科学者は人間と
同じような心はなくても、
心のようなものがあるのでは
ないかと言っています。


【絹谷】
私は絶対にあると思います。


【村上】
おそらくダライ・ラマ法王が
そう言うのには、チベットの
砂漠で生まれ育ったことと
関係していると思うんです。

それに対して日本は四季に
恵まれた温暖な気候のもと、
自然も豊かでしょう。

同じ仏教でも、生まれ育った
環境がそういった考え方に
大きな影響を及ぼすことは、
十分に考えられることだと思いますね。


【絹谷】
私もそう思います。

というのも、チベットの奥地に進んで
ヒマラヤが見えるところまで行くと、
地面の色と空の色しかない、
まるで月世界のような景色が
広がっていました。

面白いことにそこに住む
お金持ちの人たちは宝石を身につけ、
そういった余裕のない人たちは、
色のついたビニールテープを
繋げて首にかけていたんですよ。

色がない世界に住むと、
人間というのはどうしても
色が欲しくなるんでしょうね。


【村上】
色があるというのは、
ありがたいことなんですね。


【絹谷】
本当にそのとおりで、
色のある世界に住めるというのは
非常に幸せなことです。

これがもし戦争にでもなると
国防色一色になって、
極端に色がなくなってしまう。

これは余談ですが、
265年続いた徳川政権は
庶民に色を持たせませんでした。

例えば旗を立てるにしても、
神田明神と深川不動尊に
しか許されなかった。

色を持たせると、庶民が
元気になってしまうからだそうです。


【村上】
浮世絵なんかは
どうだったのでしょうか。……




※芸術家というのは、常に
 進取の気性を発揮しなければ
 ならないと語る絹谷さんの話の
 続きは本誌でお楽しみください。