羽生善治流 結果が出せない時の心の持ち方

仕事論

競技の世界でもビジネスの世界でも、
なかなか結果が出せずに
苦しい思いをする時があるものです。

棋士の羽生善治さんは、そのような時
どのような心構えで臨むのでしょうか。

桜井 章一(雀鬼会会長)×羽生 善治(将棋三冠)
───────────────────
※『致知』2017年10月号
※特集「自反尽己」P66

───────────────────

【羽生】 
私は桜井さんほどの修羅場を体験したことはありませんが、
結果が出ないとか、負けが込んでいるとかで苦しむことはよくあります。

そういう時は、もうその状況を受け入れるしかない
っていうことは思いますね。
時間が解決してくれるケースもあるので、その時が来るまで待つ
というところでしょうか。
 
それから、自分の実力はこれくらいということを
よくわきまえておくことも大事だと思います。



いまはまだ実力が十分備わっていないんだから、
結果が出なくても当然だと自覚していれば、
大変な時期でもそんなに深刻にならずに乗り越えて
いけるかもしれませんね。

【桜井】 
羽生さんの場合はファンの期待が大きいから、
それが重荷になることもあるでしょう。

だけど羽生さんは自分の軸というものを
しっかり持っていて、そこから大きく外れることがない。

たぶん百人の人と会って話をしても、
笑いながら上手に聞いていられる人ですよ。

うまく流しながらも大事なところはしっかり受け止める。

だからどんな相手とも対峙できるんです。

【羽生】 
その時の自分の状態が分かる
リトマス試験紙というのを私は持っていましてね。

よく人から「頑張ってください」って
言われることがあるでしょう。

その時に「ありがとうございます」って
素直な気持ちで言える時って大体いい状態なんです。

いや、そんなこと言ったって
もう十分頑張ってるよって思う時はあまりよくない。……