2016年08月03日
☆ あなたの人間力を高める ☆
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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.8.4
戦前、日本人として台湾で
生まれ育った蔡さん。
戦後、国民党に制圧された
台湾において、数奇な運命を辿った
蔡さんが目指すものとは──。
────────[今日の注目の人]───
☆ 深い絆で結ばれた日本と台湾 ☆
蔡 焜霖
※『致知』2016年9月号【最新号】
※特集「恩を知り 恩に報いる」P38
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──蔡さんは日本が統治していた
時代の台湾にお生まれで、
80歳を超えられたいまも
台湾のために、様々な活動に
取り組まれているそうですね。
いま私が取り組んでいることの一つに、
国家人権博物館の創設があります。
戦後、台湾は国民党による
激しい弾圧(白色テロ)のもと、
前途有望な若者たちが
次々と殺されていきました。
これは明らかに人道に反することですよ。
ところが、それが誰の指図による
ものかはこの70年間ずっと
明らかにされてきませんでした。
いま台湾はようやく自由民主の
道を歩もうと大きく動き出していますが、
その歩みをしっかりと
したものにするためには、
やはりそうした過去をきちんと
清算しなければなりません。
それには当時の真相究明は
不可欠であって、真実を台湾人に
伝える場として国家人権博物館は
ぜひとも必要だと思っているんです。
──蔡さんをそこまで突き動かす
ものとは何なのでしょうか。
日本の統治時代、修身の教育で
最も強調されたのが、
「正直であれ、誠実であれ」でした。
実際、その当時は正直であれば
誰もが平穏に暮らすことができました。
ところが国民党が入ってきたことで、
正直であっては生きられなく
なってしまったのです。
──正直では生きられない。
国民党の言うことはどれも
上辺は綺麗事でも、実際に
やってきたことといったら
若く正義感に満ちた正直者を
捕らえては監禁し、殺害することでした。
いまも心の奥底にあるのは、
無念の思いで亡くなっていった
多くの先輩、同輩たちへの思いです。
──蔡さんはいまも亡くなられた
多くの方々への思いを背負って、
活動を続けられているわけですね。
はい。もっとも私は元来
気弱な人間であって、
本当は人目に立つようなことは
苦手なタイプだったんですよ。
それでもいまこうして
活動しているのは、台湾を
愛しているからであり、
その根底には台湾発展のために
尽くしてくれた日本に対する
感謝の念があるからにほかなりません。
※戦前戦後の台湾を見てきた
生き証人である蔡さん。
その波乱の人生とともに
深い絆で結ばれた
日本と台湾の歩みとは──。
続きは本誌でお楽しみください!