ひそかな自分の志

人間関係がうまくいかなかくなった時に、
あるきっかけで『致知』を手にする
機会を得たという加藤俊治さん。

『致知』は加藤さんに
どんな変化をもたらしたのでしょうか。

読者が綴る「致知と私」。

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 ★ ひそかな自分の志 ★

加藤 俊治(会社員/34歳)


※『致知』2016年6月号
※連載「致知と私」

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私が『致知』を知ったのは3年前のこと。

私の受け持ちの患者さんで、
長年東南アジアで海外勤務を
続けておられた方が、今回はがんの
手術で日本に帰ってこられていた。

病室でお会いしても、
術後にもかかわらず表情がよく、
元気な印象のある患者さんだった。

「どんな本を読んでおられるのですか?」

と聞くと、

「私は仕事に関しても子育てに関しても
 何も分からなかったけれど、
 安岡正篤先生の『一日一言』を
 読んでやっと、どうやって
 生きたらいいか分かりました」

とおっしゃっていた。

そんな中数か月が過ぎ、
人間関係が上手くいかなくなった時、
ふと本屋に行き安岡先生の本を取った。

それがきっかけで『致知』の
存在を知るようになり、
定期購読を始めるようになったのである。


その後、仕事でチーフの役割を
任されたものの、自分の弱さに直面し、
患者さんのことを思うことが
できなくなった時期があった。

しかし、いまでも医療を
続けていられるのは、
『致知』をとおして、
自分よりも困難な状況、絶望とも
思えるような状況でも耐え忍んで
前に進んできた人たちのことを
知ることができたからである。


(略)


自分にとっての一燈照隅行は

「日本の医療を世界一にすること。
 技術だけでなく、日本人が培ってきた
 道徳に根づいた相手を思いやる
 医療をつくり上げ、それを世界に
 広めて世界に貢献すること」。

それがひそかだけれど自分の志である。