こんな遺跡、他にはない!



戦後、夢を失いかけていた
日本人に夢とロマンを与えてくれた
遺跡の大発掘がありました。

教科書にも必ず出てくるあの登呂遺跡です。

当時の熱気が伝わってくる考古学
第一人者・大塚先生
お話に胸が熱くなります





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登呂遺跡が日本人に残したもの


大塚 初重(考古学者)

 




※『致知』2016年3月号P102

  連載「生涯現役」

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指示されたところを掘っていくと、

木の杭が次々と出てくるんですよ。


でも最初はまさかそれが

2,000年前の杭とは思わないわけだけど、

どうやら弥生人が遺した

住居の周りに打ち込んでいた木だ

ということが分かってくる。



我われの先祖が、

静岡平野の一角で山から

伐り出してきた木を

打ち割って細かい杭にして、

それを住居の周りの壁に営々と

打ち込んでいたものを掘っているとね、

だんだん涙がこぼれてきた。



──涙が。



日本は戦争に負けたんだけど、

遠い昔からこの地に

我われ日本人が住んでいて、

その跡をいま自分たちの手で

掘り出しているんだという感動は、

お金とか食べ物とかってことと関係なく、

心が綺麗に洗われるような思いでした。



──遺跡の発掘が夢を

  与えてくれたわけですね。



実際、登呂遺跡の発掘というのは

戦後日本における最初の大発掘でね。


昭和22年の7月13日に発掘が始まって、

翌月6日には皇太子殿下が

現場に来られているんですよ。



そうしたら皇太子殿下が

見に行かれたというので、

今度は代議士たちも

10何名で見学に来ましてね。


その後も歌人の佐佐木信綱先生とか

有名な作家さんをはじめ、

全国から見学者が次々と

発掘現場に訪れたんです。



──それはすごいですね。



だからこんな遺跡、他にはないですよ。



そういう意味で登呂遺跡の発掘が

日本人の心に触れたというか、

敗戦国日本に生き甲斐を

与えたのではないかと

いまでも思っているんです。

?

それに国民全体がこれから

どうやって生きていけばいいのか

という時期に、東京の各大学が合同して、

食い物も十分にない中で

学生たちがすきっ腹で懸命に

掘っているということが、随分と

国民に感動を与えたようですね。



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『致知』3月号のテーマは
「願いに生きる」


 

 

 




 




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