学校で~学内木鶏会のご紹介~ 学内木鶏で生徒とチームはこう変わった

尾道高等学校硬式野球部監督 北須賀 俊彰

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尾道高等学校硬式野球部
監督 北須賀 俊彰

「学内木鶏」で生徒が、チームが変わった

かねてより『致知』を愛読していた私が、広島に本社がある八天堂の「社内木鶏」見学会に参加したのは二〇一四年三月のこと。社員さんが笑顔で『致知』の読後感を語り合っている光景を目の当たりにし、「これは素晴らしい!」と思い、私が監督を務める野球部でも「木鶏会」を導入することを即決したのでした。
幸い保護者の理解も難なく得ることができ、同年五月、保護者総会後にホテルの一室を借りて第一回「学内木鶏」を実施。いろいろ不安はありましたが、蓋を開けてみれば生徒たちは皆、笑顔でお互いの感想文、よいところを「美点凝視」で褒め合い、大いに盛り上がりました。また、皆の前で感想文を発表する息子の姿を見て、思わず涙する親御さんもいらっしゃいました。それを見た私は「あぁ、これは本当に導入してよかった」という思いを強くしました。
その後も「学内木鶏」を続けていく中で実感していったのは、両親や監督、キャプテンなど、目上の人やリーダーの気持ちを理解し、行動できる生徒が確実に増えていったことです。それによって、キャプテンを中心にチームがしっかりまとまるようになり、保護者からも「『ありがとう』と感謝の言葉を伝えてくれるようになった」「家事を手伝ってくれるようになった」など、嬉しい声をよくいただくようになりました。
さらに、実際の試合でも、お互い声を掛け合い、励まし合ったり、状況をきちんと見ながらプレーをしたり、自分のことだけではなく、広い視野を持って行動できる子が増えてきたように感じています。
以前は「試合から熱意が伝わってこない」と言われることもあったのですが、いまでは、たとえ負けた試合であっても「いい試合だったよ!」と言っていただけることが多くなりました。

人間力を高め甲子園出場を目指す

「学内木鶏」の学びは野球だけに留まりません。卒業していった三年生たちが口を揃えて、「就職や進学の面接、小論文の試験などに役に立ったので、絶対にこれからも月に一回の『学内木鶏』は大事にするべきだ」と言うのです。『致知』を読んで感想文を書き、「美点凝視」で意見交換し、皆の前で発表する。その積み重ねが、いつの間にか生徒たちのコミュニケーションやディスカッションの力、文章力を高めていたのでしょう。実際、彼らの中から、有名大学や優良企業に進学・就職していく子も出てきています。
学校によって様々な事情はあるかと思いますが、「学内木鶏」を導入して、うまく活用していけるかどうかは、ひとえに指導者の“情熱”に懸かっているのだと思います。「学内木鶏」を通じて生徒たちに成長してもらいたい、素晴らしいチームにしたいという情熱、ぶれない姿勢があれば、必ずうまくいくはずです。
これからも、指導者として「学内木鶏」を続け、人間学の学びをグラウンドで生かし、甲子園出場という子供たちの夢を叶えてあげたい。そして、先にも述べた能力を備えた人間力溢れる生徒を一人でも多く社会に送り出すことで、日本の将来のために貢献できればと願っています。

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