3歳で右目を、9歳で左目を失明、14歳で右耳を、18歳で左耳を失聴し、光と音の世界を喪失した福島智氏。
氏は当時のことをこう綴っています。
「私はいきなり自分が地球上から引きはがされ、この空間に投げ込まれたように感じた。自分一人が空間のすべてを覆い尽くしてしまうような、狭くて暗く静かな『世界』。ここはどこだろう。(中略)私は限定のない暗黒の中で呻吟していた」
著者はまず他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、言葉=情報を再び得ることができるようになったかを語ります。しかしそれはプロローグにすぎず、自ら生きる意味を問い、幸せの在処を探し求めます。その深く鋭い思索の足跡は、両親や友、師との交流に始まり、フランクルや芥川龍之介、北方謙三、小松左京といった人物たちの著書や谷川俊太郎、吉野弘の詩、はたまた落語、SFにまで及んでいきます。
苦悩の末に著者が見出した生きる意味、幸福の形は、読み手にもまた深い思索をもたらしてくれるでしょう。
その壮絶な人生体験を通して、人間と人間が本当に繋がり合うとはどういうことか、愛する人や大切な人との信頼関係を築くには何が重要かといったことが、強い説得力を持って迫ってきます。
「ぼくの命は言葉とともにある」
福島智・著 1,600円+税
丁寧に生きる著者の真摯な姿に静かな力を感じました。生きることへ の希望の灯を決して絶やすことなく今という瞬間への「感謝」の念をこれほどまでに感じさせてくれる本には出会えないでしょう。
——ユウ様(Amazonレビューより)
この本が本という体裁になって個々に届くようになるまで、どれだけご苦労があったかと思うと私には次の言葉が出てきません。
——ストロベリィ悦奈様(Amazonレビューより)
私は、第5章のトルストイの小説の引用が胸にきました。
——neko9675様(Amazonレビューより)
この本に書かれていることは、誰一人反論できないでしょう。こういう考え方に触れる時、読む者の魂が燃焼します。
——読書のすすめ店長・清水克衛様
福島先生の生きる苦悩の中から生み出された、生きる意味、そして、幸福への道筋を是非読んでもらいたいと思います。今年のベスト1です。
——井戸書店社長・森忠延様
極限状態にいる人、そういう人を目の前にして、何もできずに立ちすくんでいる人、そういう人たちにとりわけ読んでほしい。
——読売新聞・書評 2015年6月14日
福島さんの言葉を子どもたちに届けたい。
——毎日新聞・余録 2015年6月7日
黒柳徹子氏(女優)『致知』2013年10月号
北方謙三氏(作家)『致知』2015年2月号
「ぼくの命は言葉とともにある」
福島智・著 1,600円+税