致知出版社|人間学を探求して36年

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第3回入賞作品


小学生~高校生部門

金賞 中村奈三なみさん(中学3年生)

突然辺り一面がぼやけて見えた。目からは何か熱いものがこぼれ落ちる。
必死に堪えようと思ったがそれも無理なくらいに私の涙腺は崩壊した。

私は本があまり好きではない。小さい頃こそ絵本を読みあさっていた自分だが、
中学校に入ってからは全くと言っていいほど本を読まなくなった。
そんな時、先生にこの本を紹介され、せっかくの機会だからと読んでみた。
読んでいるうちに、将来への大きな決断をしなければならないという大きな不安と、
人間関係という緊張感を持った中3の自分から解き放たれたようだった。

たった1人の15歳の自分がその本から生きる術を身につけようとするようだった。
こんなに真剣に読んだ本は久し振りだから、きっと将来の大きな道標になるだろう。

2冊で10ある話は、どれも私の当たり前が音を立てて崩れ落ちるところから始まった。
けれども、彼らは逆境の中で幸せを掴んだ。私は親に愛され、
友人と大いに遊び、五体満足に生きながらも不満を抱えている。
彼らの幸せは、私の「あたりまえ」でできている。
きっとそれに気づくには、私も「あたりまえ」を失わなければならなかっただろう。

しかし、この本で私の「あたりまえ」がどんなに幸せであるか気づかされた。
もし私がこの本に出会っていなければ、どんなに自分が幸せであるかも知らずに、
不安に押しつぶされ、 小さな道標も見つけられずに
人生という道から逃げ出してしまっていたかもしれない。
こう思えたきっかけも、きっと何かの縁なのだろう。
私はこのことを思い出しながら、
逃げずに悩みとしっかりと向き合いながら力強く前進していきたい。



銀賞 沼田優和ゆうかさん(高校2年生)


読み終わってまず最初に思わず小さく息をついていました。
本の量はそこまで多くなく、15分程あれば読み終わるもので、
ついた息は決して疲労から来るものではありませんでした。
むしろ、何か行動したい、と思ってソワソワとした自分を
落ち着かせる為のものだったのだと思います。
これから、私がそう思うに至った、一番心に響いたお話についての感想を書きたいと思います。

私が書きたいのは、イチローのお話です。
今でこそ日々注目されている彼の姿を作ったのは、
他でもなく彼のかけた野球に対する時間と努力でした。
イチローが惜しみなくそれだけのものを費やすことが出来たのは、
彼が確固たる「夢」を持っていたからではないでしょうか。
夢を実現するということはとても困難なことであると思います。
筆者の言うように、夢に対して本気にならなければいけませんし、
代償を払わなければいけません。
それも、自ら進んでそうする姿勢が必要であると思います。

私は今高校2年生で、進路について色々悩んでいる時期です。
自分に自信がもてず、その進路や夢を諦めてしまおうか、と弱気になってしまうことがあります。
しかし、この本を読んでたくさんの勇気をもらいました。
イチローは自分の夢を諦めなかったから自らの夢を叶えることが出来たのだと思います。
「夢を持ち、その夢を実現すべく燃えることができるのは、全生物の中でも人間だけである」。
私は幸運にも人間で、そして実現したい夢を持っています。
その夢は、私にとって、本気になるにも、代償を払うのにも値するものでもあると信じています。
「努力し続けること、そのことによって自らの手で夢を叶えたイチローのように、
 私も夢を追い続けたい」。
本を読み終わったあと、そのような思いが私の胸を駆け巡っています。



 

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