吉田松陰に学ぶ「男の磨き方」より〜【三十四】魁となり・殿となる〜

吉田松陰に学ぶ「男の磨き方」より〜【三十四】魁となり・殿となる〜

書き下し文

戦に臨みては必ず人に先ちて魁となり、戦敗れては必ず人に後れて殿となる。
又何ぞ古武士に愧づることあらんや。

戦に臨んでは必ず他者に先だって突進し、戦に敗れた時には必ず他者を先に退却させ、自分が殿を引き受ける。
どうして古の武士に恥じることがあろうか、ありはしない。

解説

「魁」と「殿」、命をかけた戦闘の世界において最も困難な役割であることは、理解できる。

現在社会においてこれに相当する役割は何であろうか。
会社などの組織を想定し、人々が最も行きたがらない部署や最も避けたがる役割と置き換えれば、理解も容易になろう。

私も若い頃、「魁」・「殿」を経験をした。同情の声を背に転勤した学校での体験がそれである。
そこで初めて、全身全霊で悩み、もだえ、苦しみ、「Aufheben」を体験した。
あの時あの場所でプロになったと今でも思っている。
「魁」・「殿」こそ、本物の「古武士」への道である。