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2010年6月号:特集「知識・見識・胆識」<ご好評につき完売いたしました>

2010年06月号INDEX : 編集長から | 目次 | ピックアップ記事 | 今月の名言

『致知』2010年6月号

東京・谷中に南隠という禅僧がいた。
新進の仏教学者が訪ねてきて宗教論をまくし立てた。
その中には二祖慧可の「断臂の物語」もあった。
こういう話である。

慧可は達磨に入門を請うたが、どうしても許しが出ない。
それでも慧可は諦めない。雪の降る夜も腰まで雪に埋まりながら座り続けた。
その姿に気づいて、「まだそんなことをしているのか」と達磨が言った。
「私はいい加減なつもりで教えを請うているのではありません」と慧可は言い、
自分の臂を断ち、達磨に差し出して覚悟のほどを示した。
さすがの達磨も感動し、入門を許した──。

宗教学者は、この話はおそらく伝説で、
そもそも達磨自体も実在したかどうか分からない、
このように禅というのは学問的にはまったくあやふやだ、と言う。
ほかにも次々と新しい学説が出てくる。
南隠禅師は知らない話ばかりだから、感心して聞き入った。

さて、帰る段になって、玄関で禅師が言った。
「あんたは牛のケツじゃな」
 宗教学者はなんのことかと思いつつ帰ってきたが、気になってならない。
文献という文献を調べたが、「牛のケツ」という言葉はどこにもない。
ほとほと困って、学者はまた禅師を訪ね、「牛のケツ」の意味を聞いた。
禅師が呵々大笑して言うには、
「だから学者は困る。牛はなんと鳴くか。もう、じゃろ。ケツはお尻。
お前さんはもうの尻、もの知りじゃな、と言ったのじゃ」

※続きは本誌p.7で


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