2008年9月号:特集「変化し、成長する」<ご好評につき完売いたしました>
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『論語』にこういう話がある。
「先生の説かれる道を喜ばないわけではありませんが、私には力が足りなくて行うことができません」
弟子の冉求がこう言うと、孔子は答えた。
「力足らざる者は中道にして廃す。今女は画れり」(本当に力が足りない者なら、途中で力尽きてしまうだろう。お前は自分で自分の力を見限っているだけだ)
自分で自分を限界づけ、変化成長することにすくんでいる弟子を、孔子は厳しく叱っている。
この一節に感奮興起した人がいる。伊與田覺氏である。今年92歳になられる氏は、その時67歳であった。
昭和58年12月11日、伊與田氏が生涯の師父と仰いだ安岡正篤師が亡くなられた。氏は喪に服したが、次第に立つ気力を失っていく自分をどうすることもできなかった。
先師の一周忌である瓠堂忌が巡ってきた。その席で挨拶に立った新井正明氏(関西師友会元会長)が引いたのが、この冉求の一節だった。伊與田氏の受けた衝撃は大きかった。頂門の一針とはこのことであろう。これによって氏は自らに立ち返る機縁を得たという。
真に道を求める人はいくつになっても変化成長することを、この事例は端的に示している。
このほど、その伊與田氏の著 「己を修め人を治める道・『大学』を味読する」が発刊された。昨年六回にわたって行われた講義をもとにまとめたものである。
氏の講義を初めて聴いた時の鮮烈さは今も忘れない。
続きは本誌で…。










