致知出版社|人間学を探求して36年

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第4回入賞作品


金賞 柴田珠希みきさん(慶應義塾幼稚舎5年・東京都)

 私がこの5つの物語の中で一番心に響いたのは、第三話の「人の心に光を灯す」だ。
自分の心に灯した光が、人の心にも光を灯し、さらにその光が照り返って自分の生きる力になる。素晴らしいことだ、と思った。
 私は自分の心に光を灯された事はあるだろうか。きっと、あると思う。では、逆に人の心に光を灯した事はあるだろうか。ないのかもしれない。自分は、灯したと思っても、相手はそう思っていないかもしれない。
 人の心に光を灯すなら、競技で灯したいと私は思う。みんなで一丸となって行う競技で優勝するには、クラスメイトの心に光を灯し、お互いの気持ちを通じ合わせるしかないのだ。この本を読む事で、そう確信できた。
 人の心に光を灯すには、まず自分が一所懸命にならなければならないと思った。自分が一所懸命になれば、心に光が灯る。
その光が、他の人の心にも灯る。そしてそれが照り返って、私が嬉しい結果になる。この物語の最後の方に、
 「人の心に光を灯す。それは自分の心に光を灯すことでもある」
 と書いてあるが、その通りだと思う。
 そして、この本は、私の心に光を灯してくれた。第三話だけでなく、他のお話も、読めば読むほど心の光が輝きを増すように感じた。時に共感し、時に疑問に思い、時におどろきながら一話一話を読んでいると、その奥にまで手が届きそうな気がする。そして色々な事を考える。
こういうことを、心に光が灯るというのではないのだろうか。
 本当にこの本は、心に響くなぁと思う。何度も読み返すうちに、響かなかったところが、響いてきたり、その響きが、本のかなでる音と共鳴したりする。
 本を読みながら涙をこらえることもあった。それだけこの本の伝えてくることは重いのだなと思う。最初は分からなくても、次第に感じるその重み。心に光を灯したその重み。私はこの本を読むことで心に灯った光と、その光の重みを、大事にしていきたい。



銀賞 岩橋みのりさん(東京都立小山台高校1年・東京都)

 この本を読み終えた後、暫く茫然としてしまった。15分で読める本だと言うが、その15分には、読み終えてもなお涙が止まらず茫然としてしまった時間は含まれていないのだろう。
 私は今まで生きてきた中で、両親に心から感謝したことがあっただろうか。4話の少年の詩を読みそんなことを考えた。
 「ぼくが生まれて ごめんなさい」
 こんなにも重くて、深くて、強く心に突き刺さる言葉があるだろうか。自分が生まれてきたことを一番近くて最も大切な存在であるお母さんに謝る少年の気持ちを想像すると余りにも辛い。だが、少年はそれほどまでにお母さんのことを想っていたのだと思う。だから、どんなに困難な状況に自分が置かれていても、自分以上に苦しんでいる大切な人の背中を見ていたから、その人の為に生きることを誓った。少年は詩を綴った二か月後に亡くなったが、詩の中で誓った「おかあさんが いるかぎり ぼくは生きていくのです」という言葉は、ずっと生きていくのだと思う。
 人の一生の価値は、その長さでは決まらない。このことを私はこの少年から教えられた。少年の生涯は15年という短い時間だったが、与えられた生涯を強く懸命に生き抜いた少年は、自分の人生を全うしたと言えると思う。
 私は今、16歳。少年が生きた時間を越えた。私は今までの人生で何をしてきたのだろうか。反抗期だからと言って両親に反抗している場合ではない。私はまだやりたいことが定まっていないが、今やらなければいけないことは見えた。いつも私を支えてくれる両親に感謝すること。
 そして、自分に与えられた時間、環境を全力で生き抜くこと。この本を読み終えた今ならできる気がする。いや、やらなければいけない。この本に教えられたことを忘れずに、この想いを忘れずに、毎日を一生懸命に、生きていく。



銅賞 背古姫花さん(浦幌町立浦幌中学校2年・北海道)

 私はこの本を読み、なんだか複雑な気持ちになった。「私は、今のままで良いのだろうか…。」深く考えた。なにがあっても、強く、前向きに生きる人、目標を持ち、その目標に「人生」をかけて真っ向する人、病気や障害を自分の武器のようにする人など、多くの事が書かれた二冊の本、『心に響く小さな5つの物語』は、私の中のなにかを大きな音を立ててくずした。
 私は中二なのに、この先の進路を明確にできず、将来の夢はあるものの、実現できるかもわからないで夢を語っている。健康な体で生まれ、元気に成長させてもらっているというのに、その健康を自ら害するような生活をしている。家族への感謝も形にできず、迷惑をかけてばかりだ。この本を読んで、今までの何気無い生活は全否定されたような気がした。
 でも、この二冊の本は、これからの生活の仕方と新しい考え方を教えてくれた。つらい事、苦しい事は神様が与えてくださった任務だと考えれば良いこと、常に笑顔で、すぐに怒らないこと、人の話を素直にきくこと、いつも感謝の気持ちを忘れないこと…。
 すべて合わせてもたった十個しかない小さな物語が私の今までの考え方を変えた。これからの生活も私も変えるかも知れない。私はこの本から学んだことをこれから一つひとつ実行していく。そうすれば、私も人生も大きく変えられるかもしれない。
 最後に、この二冊の本に出会えたこと、この本に出会わせてくれた校長先生には心から感謝している。


佳作 村松恭仁さん(森町立旭が丘中学校1年・静岡県)

 この、山田康文くん通称やっちゃんは、50、51ページに、本物の詩があります。この詩を見てみると、命を絞るようにして書いたとすごく伝わってきます。僕は、康文くんと同じように、「やっちゃん」と、呼ばれます。でも、もう一つ同じ所があります。お母さんに、大変な思いをさせて、「僕さえいなければ、お母さんは大変な思いをしないんだ」と、思ったことがあります。
 この「人生のテーマ」を読んでいたとき、二回、三回と、何回も同じ文を読んでも、涙がいっぱい出てきました。読み終わったとき、下を見たら、机、服、ゆか、にたくさんの涙が、落ちていました。そして最後に、落ちた涙は、本の上に落ちました。やぶれるといけないので、テープをはりました。この作文を書いているときも、涙が出てきました。この作文を書くのがとてもつらかったです。
「人生のテーマ」を読んだら、これからの生き方の仕方が変わりました。一つは、お母さんへこれまでは、いやだなぁと思ったときがあったりしたけれど、その気持ちを変えて、「お母さんは、僕のことを思って言ってくれているのだ」と思いたいです。二つ目は、お母さんに、大変な思いをさせないよう、自分で、出来る事はすぐにやりたいです。この本を読んで気持ちが変わりました。この本をくれて下さりありがとうございます。

 

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