合気道の開祖に学んだこと


合気道の開祖・植芝盛平翁という
武道家がいました。

不世出の武道家と称えられながら
世界の和合を説き、
愛の心を技として確立した
盛平翁の生き方を、
最後の内弟子である菅沼守人さんに
お話しいただきました。

───────「今日の注目の人」───

管沼 守人(エ合気道祥平塾道場長)
   
※『致知』2017年7月号【最新号】
※特集「師と弟子」P50

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──植芝先生の教えとは、
  どのようなものですか。


大先生はよく
「合気道は実践の武道である」
と話されていました。

つまり相手を無理に倒したり
怪我をさせるのではなく、
心身を鍛練して真の人をつくるのが
武道の目的だと。

例えば、こういう言葉を残されています。

「合気とは、
 いうなれば真人養成の
 道であるともいえる。
 それで気育、知育、徳育、体育、
 それに常識の涵養が
 肝要となってくる」

「合気道は魂の気の洗濯が一番、
 その次には己の心の
 立て直しが肝要である」

私たちは人のことは
よく見えますが、自分のこととなる
となかなか見えません。

まず自分自身を直していくのが
武道の本義だということですね。

そういう人が一人、二人、三人と
増えていけば世の中は
自然とよくなっていく。

それがゆくゆくは
合気道で世界の人たちが
手を結び合えるような
世の中になるということを
大先生は説かれたのでしょう。

安岡正篤先生の教えにある

「一灯照隅、萬灯照国」

にも通じることだと思います。
  

──ある意味では、修養の大切さを
  説かれた言葉だとも言えますね。


そう思います。
例えば道場では強い、稽古も熱心。

だけど一歩外に出て
実生活はいい加減、
というのではやはり
心許ないですね。

大先生は、
「合気とは、
 天地の心を以て我が心とし、
 万有愛護の大精神を以て
 自己の使命を完遂することである」
とおっしゃっています。

一人ひとりが仕事なら仕事、
学問なら学問に全身全霊で
打ち込んでこそ、初めて人間は
磨かれていくものなのでしょう。
 
私たちは稽古で
「相手と一つになる」
という言い方をしますが、
稽古をとおして
「そのものになりきる。
仕事や学問と一つになる」
ことを学ぶのが大事だと思います。


──植芝先生はまさに
  そういう方だったのでしょうか。


はい。大先生は武道家として
生涯鍛錬に次ぐ鍛錬を
重ねられた方ですが、
最晩年もなお……




※植芝盛平翁はどのような人生を
 歩まれたのでしょうか。
 最新号に詳しく紹介されています。

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