何があっても全部「忍耐」


銀座にある高級理容店・銀座マツナガを
創業された松永巳喜男さんの
修業時代のお話です。

「忍耐」の大切さが心に響きます。

───────「今日の注目の人」───

松永 巳喜男(銀座マツナガ社長)

※『致知』2017年5月号【最新号】
※連載「二十代をどう生きるか」P98

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中学校を卒業したのは
昭和31年のこと。

同級生のほとんどが中卒で
東京や横浜へ集団就職していく中、
私は新潟市内の理容師専門学校に進学した。

一年間専門学校で基礎訓練を受けた後、
理容店に就職して
本格的に腕を磨いていくわけだが、
私は幸運なことに、
二人の尊敬する師匠と出逢い、
そのご縁で県内トップクラスの
規模の店で修業を積む機会に恵まれた。


(中略)

 
一日の始まりは朝6時。
起床とともに40分ほどかけて
念入りに店の掃除をする。

その後、全員で朝食を摂るのだが、
ご飯と味噌汁、たまに沢庵という
非常に質素な食事だった。

昼はコッペパン一個。

夜は朝食の内容に
僅かなおかずが一品つく。

タダで食べさせて
もらっているわけだから、
それだけでありがたいと
いま振り返れば思う。


しかし、育ち盛りの
男たちにとっては
不満でしかなかった。

給料もほとんどないに等しく、
映画を3回見ると使い果たして
しまうほどの貧しさ。

これも当時は辛かった。

それを分かった上で
おっしゃっていたのだろう。


笠原先生の口癖は

「修業は忍耐だ」

「忍耐が大事である」

だった。

不平不満や辛いことは全部
「忍耐」という言葉で片づけられ、
耐えられない人間は
店を去っていったが、
私は石に齧りつくような思いで耐えた。


営業中は……




※本誌には、松永さんが
 厳しい修業を経て
 高級理容店を経営される
 までの歩みが詳しく
 紹介されています。

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