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開き直りから生まれた「はやぶさ」

小惑星探査機「はやぶさ」の
奇跡の生還が
大きな感動を呼んだ日のことを
ご記憶の方も多いでしょう。

プロジェクトマネジャーを務めた
川口淳一郎さんが
開発までのご苦労を
お話しくださいました。

───────「今日の注目の人」───

川口 淳一郎
(宇宙科学研究所・宇宙飛翔工学研究系教授)
  ×
齋藤 孝(明治大学教授)
  ×
石黒 浩(大阪大学教授)

※『致知』2017年9月号【最新号】
※特集「閃き」P18

───────────────────

【齋藤】 
しかし、「はやぶさ」プロジェクトの
構想を纏めて、
長年チームを牽引しながら
奇跡の帰還を果たされた
川口先生の華々しい功績は
誰もが認めることですよね。

【川口】 
このプロジェクトも、
言ってみればある種の
開き直りから
始まったことだったんです(笑)。
 
僕がこの計画を形にして提案したのは
1990年代ですが、
検討を始めたのはそのずっと前からです。

その頃、既にアメリカやソ連は
月に行ったり、
火星や金星などの惑星に行くための
プロジェクトを動かしたりしていて、
日本の宇宙科学は
相当遅れていたんです。

NASA(アメリカ航空宇宙局)との差は
歴然でした。
 
それで僕たちはNASAと一緒に
勉強会を重ねながら
「小惑星ランデヴー」を
一つの目標として掲げました。
要は探査機が惑星の
近くにい続けることです。

それだけでも我われにとっては
大きな進歩だと思っていたんです。

ところがNASAは
いきなり自分たちだけで
プロジェクトを立ち上げて、
それを実現してしまう。

【齋藤】 
NASAに先を越されてしまった。

【川口】 
これはとても辛いことでしたね。
僕はアメリカのやりそうなことをやって、
つまみ食いされて二番煎じに
甘んじるのはどうしてもいやでした。

やっぱり我われが本当に目指すべきゴールは
誰もなし得たことのない

「小天体のサンプルリターン」
(小天体の地表のサンプルを採取し
 地球に持ち帰ること)

だと改めて確認し合いました。

アメリカのやろうとしないものをやる。
その開き直りから……

 

※川口さんにとって
「困った状況は楽しい時間」
なのだとか。
その仕事観、人生観はぜひ最新号で。

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