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命がけの恋愛と失恋

『致知』で「日本の教育を取り戻す」を連載中の占部賢志さんが
教育養成系の学生に必要なこととしてユニークな提案をしています。
占部さんの話を聞いてみましょう。

占部 賢志(中村学園大学教授)
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※『致知』2017年12月号
※連載「日本の教育を取り戻す」P112

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【PTA役員】 
そういう学生に先生はどんな指導やアドバイスを与えられるのですか。

【占部】 
そうですねえ……。ずいぶん前になりますが、
熊本大学の大学祭に招かれて教育問題をテーマに講演をしたことがあります。
そのとき質疑の時間があって、教育学部の大学院に在籍する女子学生が質問をしたのです。
内容は、教職を目指す学生が大学時代に何をやっておくべきか、
一つ挙げるとしたら何かということでした。

【PTA役員】 
どんなことを言われたのですか。

【占部】 
思わず口をついて出たのは、
命がけの恋愛をして命がけの失恋をしろと言うことでした。
学生たちはびっくりしたらしく、目を白黒していましたね(笑)。

【教師B】 
学生にしてみれば、虚を突かれた感じだったでしょうね。

【占部】 
教師は人間通たれ、これは私の信条と言ってもいい。
そこで、本気の恋愛や失恋を経験もしないで人間が分かるか、
という意味のことを伝えたかったわけです。
 

人を心から好きになること、かけがえのないものを失うこと、
沸き上がる歓喜を味わうこと、我が意が伝わらなくなっていく切なさを嘆くこと  
そんな体験に翻弄されて苦闘せよ。言ってみればそういうことでした。
要するに、彼ら学生に波乱を起こして貰いたいのです。

【教師B】 
しかし今の教育界でしたら、
従順な学生をそそのかさないで欲しいというのが大半じゃないでしょうか(笑)。

【占部】 
そうだと思います。
しかしね、教育の仕事に携わるのに、人間的なレッスンに乏しいようでは困ります。
素直で人当たりがよくても、人間的に薄っぺらじゃどうしようもない。

【教師A】 
どうしたらよいのでしょうか。

【占部】 
突破口は「教養教育」の刷新です。
いわゆる偏差値などで示される学力はあるのに、
教養が身についていないのが教員養成系の学生の特徴です。
 
学生時代の教養は、幅広い読書と人間体験に尽きます。
ところがその二つが、とりわけ養成系学部の学生には乏しい。

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