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いまも、その時を忘れない

岩手県宮古市に、
実際の津波の様子を
疑似津波模型で実演する高校教師がいます。
山野目弘さんです。

津波模型はいま、地域の防災意識に
大きく貢献していますが、
ここで紹介するのは
山野目さんの震災体験です。

───────「今日の注目の人」───

☆ いまも、その時を忘れない ☆

山野目 弘(県立宮古工業高校実習教諭)
   
※『致知』2017年5月号【最新号】
※特集「その時どう動く」P52

───────────────────

家を失った私たち一家は、
体育館での避難所生活を始めました。

勤務先の学校も一階部分が
津波にやられて
機材も教室も使えなくなり、
私は生きる気力すら
失いかけていました。

しかし、じっとしていては
気が滅入るばかりです。

避難所では多くの
お年寄りのお世話をし、
昼間は学校に通って
瓦礫やヘドロを片づけるという
慌ただしい生活がよかったのか、
少しずつ元気を取り戻しました。

仮設住宅も建ち始める中、
私は結局、最後まで避難所に残り、
避難者の皆さんのお世話を続けたのです。
 

山野目氏

震災から三か月後、
仮設住宅に入ることができましたが、
電気も水道も使えず、
食糧もない震災直後の厳しい時期を、
よく乗り越えてこられたものだと思います。

学校が再開したのは八月末のこと。

私たちはすぐに
模型の制作に取りかかりました。
津波模型ではありません。

震災前の宮古市の街並みを再現した
六千分の一の復興模型です。

かつての街並みを思い出すことで
皆さんに元気を取り戻してほしいという
祈りを込めて宮古市に寄付しましたが、
それは同時に津波によって親しい人を失い、
深く傷ついた私たちを
勇気づけるものでもあったのです。

そして、その頃から私たちは
嬉しい話を耳にするようになりました。

津波模型の実演を
受けた沿岸部の学校の
児童、生徒たちの中からは……

※逆境の中、山野目さんのもとに
 届いた嬉しい話とは
 どのようなものだったのでしょうか。
 詳しくは誌面をご覧ください。

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